日本全国 あるある! 素麺のソウルフード1

麺の中では日本で一番古い歴史がある素麺。
日本各地に産地があり、全国に広まりました。
それぞれの地域で、その土地に合った様々な料理が生まれ、長く受け継がれています。
今回は、ソウルフードとなった全国の素麺料理をご紹介します。

鯖そうめん(滋賀)

鯖そうめんは、滋賀県湖北地域を中心に愛されている郷土料理です。
焼いた鯖を煮て、その風味豊かな出汁でそうめんをいただく、どこか懐かしい味わいが特徴です。

鯖そうめんの歴史と文化

鯖そうめんは、若狭から京都へ運ばれる鯖街道を通って、鯖が豊富に手に入った地域で発展したと言われています。
また、農家に嫁いだ娘のもとへ、娘を案じる親が焼鯖を届ける風習があり、この風習が鯖そうめんのルーツの一つとも言われています。

鯖そうめんの作り方

  1. 鯖を焼く: 鯖を焼き、骨を取り除きます。
  2. 煮込む: 焼き鯖を煮込み、出汁を作ります。砂糖やみりんを加えて甘辛い味付けにするのが一般的です。
  3. 素麺を茹でる: 素麵をゆで、冷水でしめます。
  4. 盛り付け: 器に盛り付け、煮汁をかければ完成です。

油ぞうめん(鹿児島)

油ぞうめんは、鹿児島県奄美大島をはじめとする奄美群島で親しまれている郷土料理です。
沖縄のソーメンチャンプルーと似ていますが、だし汁を加えて炒める点が大きな特徴です。
また、油で炒めることで、素麺に香ばしい風味がつきます。

油ぞうめんの歴史

奄美地方では、小麦の栽培をしていないため、九州から素麺が渡ったとされています。乾麺は保存がきくため、田植え、稲刈り、祝いの席、祭りなど、大勢の人が集まる場所で食されたようです。

油ぞうめんの作り方

  1. 豚肉を炒める: 豚肉を炒め、色が変わったら野菜(キャベツ、ニンジン、にら)を加えて炒めます。
  2. だし汁と素麺を加える: だし汁と茹でた素麺を加え、煮込むように炒めます。
  3. 味付け: 醤油、みりん、砂糖などで味を調え、仕上げにニラを加えます。

 

鯛そうめん(広島・岡山・愛媛)

鯛そうめんは、瀬戸内海沿岸地域で古くから食べられてきた伝統的な郷土料理です。
結婚式や長寿の祝いなど、特別な日の食卓を彩る、見た目も華やかな一品です。

鯛そうめんの作り方

鯛そうめんの作り方は、地域や家庭によって様々ですが、基本的には以下の手順で行います。

  1. 鯛を煮込む: 塩で締められた鯛を、醤油、みりん、砂糖などで煮込みます。
  2. 素麺をゆでる: 素麺を茹で、流水でよく洗い、水気を切ります。
  3. 盛り付け: 大きな皿に鯛と素麺を盛り付け、鯛の煮汁をかけます。

鯛そうめんの地域ごとの特徴

  • 岡山県: 鯛の兜煮の煮汁と素麺を和え、鯛と共に盛り付けるのが特徴です。
  • 香川県: 塩締めした鯛を丸ごと煮込み、茹でた素麺と一緒に大皿に盛り付けます。
  • 愛媛県: 鯛の煮汁をかけた素麺に、錦糸卵や千切り椎茸などを添えていただくことが多いです。

鯛そうめん(熊本)

熊本県で食される鯛そうめんは、その地域によって少し異なる特徴を持っています。
瀬戸内海沿岸地域で一般的な鯛そうめんとは異なり、熊本では主に天草地域上益城郡山都町馬見原地域で独特なスタイルの鯛そうめんが発展しました。

天草地域の鯛そうめん

天草地域では、刺身にした後の鯛のあらを使った「アラ炊き」の煮汁で素麺をいただくスタイルが一般的です。

上益城郡山都町馬見原地域の鯛そうめん

馬見原地域では、鯛を丸ごと姿煮にしたものを素麺と一緒にいただくスタイルが特徴です。

日本各地には、他にも多くのそうめんを使った郷土料理があります。
次回も引き続き、地域に根づいている素麺のソウルフードをご紹介します。