富山県砺波市に江戸時代から伝わる大門素麵。
手延べならではの強いコシとなめらかな喉越しの素麺です。
また、一般的な棒状の素麺ではなく、日本髪の丸まげの形をしています。
丸まげの形は、乾燥前の半生の状態で麺を束ねて作りますが、麺が細すぎると折れてしまうため、大門素麺は、全国各地の素麺の中でも麺は太めです。
麺の太さは、その食感や風味に大きく影響を与える要素です。
特に、日本の夏の風物詩ともいえる「素麺」は、特徴的な食感を持ち、他の麺とは一線を画しています。
今回は、麺の太さ、特に素麺の食感について、その違いを詳しく解説していきます。
麺の太さが食感に与える影響
素麺には、麺の太さに規定があります。
大門素麵のような「手延べ」の場合は
直径1.7ミリ未満 →「素麺」または「ひやむぎ」
直径1.7ミリ以上 →「うどん」(農林水産省の乾麺類品質表示基準)
麺の太さによって、次の点が大きく変わってきます。
1. コシ
- 太い麺: 小麦粉の量が多いため、グルテンが強く網目状に形成され、コシが生まれます。噛み応えがあり、食べ応え満点です。
- 細い麺: 小麦粉の量が少なく、グルテンの形成が少なく、コシはやや弱めです。しかし、ツルツルとした滑らかな食感が特徴です。
2. 喉越し
- 太い麺: 口の中で存在感があり、噛み応えがあるため、喉越しはやや重めです。
- 細い麺: 口の中でほどけやすく、ツルツルとした滑らかな喉越しが楽しめます。
特に冷水で締めると、その爽快感が際立ちます。
3. 風味
- 太い麺: 小麦粉の風味をしっかりと感じることができます。
噛むほどに小麦の香りが広がり、風味豊かな味わいが楽しめます。 - 細い麺: 小麦粉の風味は控えめですが、ツルツルとした食感を楽しめ、つゆの味を引き立てます。
素麺の細さによる特徴的な食感
素麺は、他の麺と比べて非常に細いため、以下の特徴的な食感が生まれます。
- ツルンとした喉越し: 素麺の最大の特徴は、なんといってもそのツルンとした喉越しです。
口の中に放り込むと、スーッと喉を通っていくような爽快感が楽しめます。冷水でしっかりと締めると、その爽快感はさらに増します。 - 冷やし麺との相性: 素麺の細さは、冷やし麺との相性が抜群です。
ツルンとした喉越しは、夏の暑い日にぴったりの爽快感を与えてくれます。 - つゆとの一体感: 素麺は、その細さゆえにつゆをたっぷりとかけやすいという特徴があります。
そのため、つゆの味をしっかりと感じることができ、麺とつゆの一体感が楽しめます。
ほかの麺との違い
素麺以外の麺との違いを、太さや食感の観点から見てみましょう。
- うどん: 素麺よりも太いため、コシが強く、食べ応えがあります。
また、小麦粉の風味も強く感じられます。温かい出汁で食べるのが一般的ですが、冷やしうどんも人気です。 - そば: 素麺よりもやや太く、そば粉の香りが特徴です。
素麺とは異なる風味と食感が楽しめます。コシが強く、噛み応えがあります。 - ひやむぎ: 素麺よりもやや太く、素麺とうどんの中間のような食感です。
素麺よりもコシがあり、うどんよりも喉越しが良いのが特徴です。
大門素麺は、ひやむぎに近い素麺になります
まとめ
麺の太さは、その食感や風味、そして料理との組み合わせにまで大きな影響を与えます。
素麺は、その細さゆえにツルツルとした喉越しが特徴で、夏の暑い日にぴったりの爽快感を与えてくれます。
素麺も産地によって麺の太さが違います。
色々食べ比べてみて、お好みの麺や、調理方法に合った麺をお選びください。