作って食べよう! 大門素麵クッキング

美味しい郷土料理

180年の伝統を誇る大門素麺。加賀前田藩の御用素麺の技法が、富山県砺波市に伝わりました。
大門で育まれてきた長い歴史のなか、地域で生まれた食文化も大切に受け継がれています。
夏は冷たく、冬はにゅう麺としていただく一般的な食べ方以外にも、色々な調理方法があります。
今回は、生産地である富山県砺波市で作られている家庭料理「ナスそうめん」をご紹介しましょう。
コシが強く伸びにくい大門素麺の特徴が生かされた郷土料理で、「大門素麺を使った料理といえば、これしかない!」「これ以外に何があるの?」というくらい、地元では定番の一品です。

材料 4人分

ナス     4個
大門素麺   1/2袋
A 
だし汁   1/2カップ
醤油   大さじ1/2~1/3
みりん  大さじ2/3~1
酒    大さじ1 

作り方
あらかじめ大門素麺を茹でておく。
ナスを縦2つに切り、皮に切れ目を入れてAで煮る。
火が通ったら、茹でた大門素麺を加え、ひと煮立ちさせてできあがり。

注意点
大門素麺は長さ75センチと、一般的な素麺の4倍。
パッケージにも記載されていますが、必ず2つに割ってから茹でてください。
コロンとした形の底の部分の割れ目に沿って2つに割ります。
これを忘れると、麺が長すぎて食べにくいです。

我が家では、残った麺を使った温かいナスそうめんが食卓に上がります。だし汁しみしみの大門素麺も格別の美味しさです。簡単なので作ってみてくださいね。夏は冷蔵庫で冷やして食べるのもおすすめです。

美味しさの秘密は、製法と麵の太さ

普通素麺は、煮過ぎると伸びて美味しくなくなってしまいますが、大門素麺はしっかりした歯ごたえを感じます。
ご紹介した大門素麺の郷土料理「ナスそうめん」では、素麺は煮物の食材の扱いです。冷麺で食べて残った麺も、水切りして冷蔵庫に入れておけば翌日美味しくお召し上がりいただけます。

なぜ、大門素麺は伸びにくいのでしょう?

大門素麺の最大の特徴は、日本髪の丸まげのような形です。
柔らかい半生麺を職人が手作業でひとつひとつ束ねます。
作業は時間との戦。麺の乾燥を避けるため手早く行います。
麺が細すぎると折れて形成できないので、棒状手延べ麺の産地に比べ、大門素麵は少し太めです。
また、大門素麺は、何度もよりをかけてゆっくり延ばしながら熟成させることによって、小麦粉のグルテンが形成され、このグルテンがコシの強さを作ります。
麺が太い分、コシの強さもしっかり感じられるのです。
麺の太さとコシの強さから、伸びにくいため、煮物の中に入れるという「ナスそうめん」の発想が生まれたのかもしれません。

まとめ

日本では、素麺は夏に食べられてきました。
食欲が落ちやすい日本の暑い夏に、麺はスルスルっと食べることができ体力を維持するため優れた食べ物です。
大門素麺は、夏にも食べられてきましたが、その特徴から温かくしても優秀な手延べ麺であることに気付き、「ナスそうめん」のように1年を通して食べる食文化が生まれました。
「温めても伸びにくい」特徴を活かせば、他にも様々なアイデア料理ができそうです。
皆さんも「オリジナル大門素麺料理」を作ってみてはいかがでしょうか。